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送電鉄塔敷地の防草対策

送電鉄塔は、送電電圧、容量、地形に応じて高さが変わりますが、45mから100mを超えるものまであります。

50万ボルト設計で高さ80m、100万ボルト設計で110mが目安です。

この鉄塔の敷地を土系舗装で防草対策をしようとすると、雨だれが気になります。

なにしろ相当の高さから降り注ぐわけですから、雨とはいえ柔らかい土系舗装の耐久性は大丈夫か、雨だれ跡が大きくなり、やがてクラックにならないかといった心配です。

確かに、施工した直後の固まっていない土舗装の場合、地面に強く打ち付ける雨で地面には穴が開いてしまいます。その対策として、施工後の初期養生の段階ではブルーシートで表層を覆います。これは雨だれによって傷つくのを防ぐだけでなく、土系舗装の含水比が多くなることを防ぐためでもあります。含水比が多くなると、強度が落ちるからです。

立地条件によりますが、夏場で2~3日、冬場では1週間程度の養生をした後、外します。この初期養生の期間を乗り切れば、下の地面の写真のように表面から5mm程度損傷を受けているところもありますが、それ以上の痛みはありません。

舗装厚が5cmの土系舗装であっても、わずか1/10の厚みの損傷だけですみます。

下の写真は、敷地面積360㎡、施工後2年経過したこの敷地のアップ写真です。

 

このような鉄塔の敷地の防草対策をする場合、気をつけないといけないことは、敷地が元々田んぼや山であったところが多く、周囲に排水溝や暗渠排水が設置してなくて、周囲はコンクリートブロックで囲まれただけというところがあります。

その場所をいきなり路盤で固めた後、土舗装をすると、水が排水されずに滞留して凍結破損(水は凍結する時9%ほど体積が増える)をすることがあります。

アスファルト舗装やコンクリート舗装であれば表面排水によって、排水溝に流れますが、土系舗装は透水性排水なので、降雨などの水が地面に浸透した後、その水を逃がす水抜きが必要になります。

 

新規に栄養分のない真砂土を入れる場合は、固化材と真砂土をバックホウで混合すれば、それを敷き均すだけで、長期間の防草対策になりますが、現場の土を再利用する場合は、現地の土をよく乾かし、出来ればフルイにかけてから混合していただくと、混合不良で混ざってなかった部分から雑草が生えてくるといったことはありません。

鉄塔敷地の舗装は、上記のようなことに注意していただければ、鉄塔敷地には人が入らないので、磨耗の心配をする必要がなく、長期的に安定した防草対策ができます。

お困りのことがあれば、弊社までご一報をお願いします。