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これから土系舗装を予定されている現地の土を送付していただきました。
土とはいっても粘土質のものや砂質のもの、シルト質のものなどさまざまな種類があります。
そして、それぞれの土には固める場合に、最もよく締まる適正含水比があります。
その含水比付近で締固めたときに最も安定性を発揮すると言われており、実験してみました。
今回送付いただいた土は、真砂土系の現地土で、おおよそ8%の水分が含まれていました。
そこでAには4%の加水、Bには10%の加水と水の量を変えて、固化後の状態を比べてみました。
間違えないように土の量も変えて2種類作成しました。つまり、左の写真のように。
●A860gの土に4%の加水→総含水比12%、
●B600gの土に10%の加水→総含水比18%
ということになります。
わずか6%の水分量の違いですが、写真のAは、水の量が少ないので、トレーに泥がつくことなく、固化しても収縮がほとんどみられません。
写真のBは、自然含水比と加水で合計含水比が18%にもなるため、トレーに泥がこびりつき、水が表面に浮いていました。団子にして手に取ると、手に泥がこびりついたと思います。しかし、乾燥すると収縮により赤いラインよりかなり下でカチカチになって固まりました。このように表面沈下すると、割れクラックを生じやすくなります。つまり、収縮の過程で、内部に目に見えない小さなひび割れを発生させて、強度が落ちていきます。
写真のAは、上から水をかけると、透水性があるので、すぐに浸透しましたが、Bは、透水に時間がかかりました。わずか6%の含水比の違いですが、土の水分量は透水性にも大きく関係してきます。
土の固化は、水和反応なので、水の量が多いと強度もアップすると思われがちですが、実は全く違っていて半比例です。
水分が多いと、乾くまでに時間がかかり、乾くとカチカチになり、一見強度が出たように見えますが、実際には、破損しやすくモロくなっていることが多いのです。
わかりやすく説明しますと、ジオベストの主成分である酸化マグネシウムは水和反応により、土粒子を結び付ける接着剤になりますが、水分が多いと「水糊」の様に薄まり、接着力も弱くなります。
水分が少ない「糊」は粘っこいので、接着力も高くなります。
つまり、水和反応に必要な水さえあれば、それ以上の水は強度を落とすだけで不要といえます。
よって、ジオベストの締め固め時の含水比については、一番固まる適正含水比の範囲を規定しています。
土の自然含水比が多かったり少なかったりすると、含水比調整を行います。
少なければ加水しますが、適正含水比より少し少ない量の水で管理すると、一番理想的な土系舗装になります。
一方、多すぎる自然含水比の土を固める場合、曝気乾燥させてから利用する必要があります。
土を締め固めする場合、土系舗装でなくても土を固めるには、土それぞれに最も締まる最適な含水比があります。その含水比付近で土系舗装も締め固めをするのが最も強度が出ます。
ということは、土系舗装をする場合、含水比が重要であり、特に、初期硬化の時は、雨や流入する水に気をつけなければならないということになります。
固めた上記のAの画像を大きくすると左のようになります。
現地土を使用していますが、土系舗装に適した土です。
ジオベストによる土舗装は重金属類を含まないので、どのような土も固めることが出来、環境保全型であるだけでなく、コストパフォーマンスは抜群です。
ぜひ試してみてください。