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今年は45年ぶりに東京で積雪というニュースが流れるなど、気温の低い日が続いております。
土舗装でもっとも注意しないといけないのが、冬季の施工です。地域的なものがあるので、すべての冬季工事は避けるべきというわけではありませんが、不具合が起きる可能性がありますので、十分な対策が必要です。
●気象について
気温が低いと水が凍結します。
固化材の主成分である酸化マグネシウムは土壌の水と反応して水酸化マグネシウムに変化します。さらに、炭酸ガスと反応して土粒子同士の接着をもたらすわけですが、水が凍結すると、水との化学反応が出来なくなります。
土舗装は、土の粒子同士を接着しているわけですから、空隙ができます。空隙に流れ込んだ水が凍ると体積が膨張(水は凍結する時9%ほど体積が増える)し、その圧力で土舗装の組織が破壊され、ひび割れたり、表面が剥離したりして、全体の強度が劣化します。初期硬化の段階で空隙の水が凍結すると土舗装が固まる前に破壊されてしまいます。
また、特に日当たりのいい南面では、夜間に凍結し膨張、昼間に氷が溶け、さらに新しい水が空隙に入って凍結するという溶融凍解を繰り返し、凍害がさらにひどくなり、せっかく固めた土舗装も破壊されてしまうということが起きる可能性があります。
●水について
セメントも水がないと硬化しません。
セメントの粒子と水の化学反応によって、生成した水和物がセメント粒子同士を結合することによって硬化します。
水セメント比という言葉がありますが、水の量を表すもので、水40%が理想といわれています。では、ジオベストの場合はというと、水10~12%が適正な含水比になります。水が多いほど作業がしやすいわけですが、セメント同様に水が多いほど強度が低くなり、乾燥収縮でクラックも発生しやすくなります。
化学反応のためには一定量の水分が必要ですが、必要以上の水分は不具合となるので、適正含水比の水のみで施工する必要があります。このことからわかると思いますが、固まらないうちに雨が表面に注がれると強度が落ち、気温が低い場合には凍害が出ます。
雨が降らなくても、土舗装に使用する土の含水比が前日の雨などの影響で高いと、不具合が起きやすくなります。
また、雪の多い地方では、融雪水による水分の供給が凍害を促進させる危険があります。
●勾配について
施工場所に勾配をつけるのは、水の滞留による不具合を避けるためです。
透水性のある路盤であれば表層の水は路床へと流れていきますが、路盤を転圧で固めると透水性が悪くなり、水の滞留が起きやすくなります。
冬場の滞留や水の流入は凍結を招きやすいので、予め測量を行い、勾配をつけておくことが不具合を起こさないためにも必要です。
左の写真は冬季に施工した新潟県と秋田県の土舗装の事例です。
凍害が起こらないように配慮して施工されているので、凍害は発生しておりません。
寒い地方だからといって、必ずしも凍害にかかるとは限らないわけです。
土舗装の冬季施工は、立地場所に合わせて、土質を調査した上で、透水性を高めるために砂を加えたり、固化材の調節、冬季養生や路盤の設置、覆土、水分量を減らすなどの対策が必要です。
しかし、凍害は、初期硬化時だけ注意すれば済むというものではありません。水がある限り、寒冷地では凍結による膨張で、凍害が起きる可能性が常にあります。