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近年、土壌改良材、安定処理材として酸化マグネシウム系固化材を使用したいという要望が多くなりました。
軟弱土を固化し、良質土に改良する地盤安定対策、沈下対策または液状化対策などだけでなく、限りある資源 の有効利用(重金属汚染地盤の修復、建設発生土の再利用. 浚渫土固化処理. 泥土処理)、生態系への環境配 慮など多様な観点からの材料が求められる時代になったからといえます。
従来からの固化材といえば、セメント系固化材・石灰系固化材が圧倒的に多く使われてきました。
酸化マグネシウム系固化材は、中性系固化材と呼ばれることもあり、セメント系固化材・石灰系固化材が強ア ルカリ性なので対比されることもありますが、実は、セメント系固化材・石灰系固化材の課題を解決するため に発明されたものだということが、まだまだ知られておりません。
その課題とは、
①セメント系固化材・石灰系固化材での処理土は、PHが12以上になり、アルカリ公害が起きる。
②セメントやセメント系固化材には、重金属類が、極微量ながら含まれており、セメントやセメン ト系固化材を用いた改良土からは、六価クロムが溶出することがある。
③セメント系固化材・石灰系固化材で固めた土は、建設廃材になり、産業廃棄物になる。
ほかには、長期耐久性を考えた時、セメント系固化材・石灰系固化材は、酸性雨に弱いということはよく知られていますが、酸性雨の侵食による中性化にともなって、一軸圧縮強度が減少します。特にpH2の酸性雨を流した場合、一軸圧縮強度は1/6になると発表されています。
では、酸化マグネシウム系固化材はというと、実は酸化マグネシウムも同じ強アルカリ性なのに、酸化剤を加えることで、中性域で使用できます。つまり、セメントやセメント系固化材は、酸性雨などの影響を受けて、強度が落ちますが、酸化マグネシウム系固化材は、それほど一軸圧縮強度が減少せず、長期耐久性があるという違いがあります。
しかし、酸化マグネシウム系固化材は初期強度が低いという弱点がありますが、セメント系固化材・石灰系固化 材の処理土は90日経過すると、あまり強度増加はみられません。酸化マグネシウム系固化材は180日まで強 度が増加傾向にあります。180日以降も長期の強度増加が見られるというデータもあることから、長期的に強度 が維持できるという点で評価されています。
また、セメント系固化材のように、六価クロムを溶出しないことや処理する時、産業廃棄物にならないなどの環境面でも優れています。
通常、地盤改良や安定処理をする場合、1㎥当たり40kg~添加しますが、土壌の内容によって、添加量が変わります。弊社の場合、エコロック-1000、エコロック-2000、ジオベストなど用途に応じて配合を変えた酸化マグネシウム系固化材を用意しております。