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セメント系固化材を用いた土系舗装や地盤改良工事では六価クロムが溶出したという記事を時々見かけます。
ここでは、その原因や対策について考えてみたいと思います。
実は、セメント系固化材を使用した公共工事で土系舗装や地盤改良をする場合、事前に現地土壌との組み合わせによる六価クロム溶出試験を行うことが義務づけられています。
しかし、それだけでは十分ではないという事例があります。つまり、規定通り溶出試験を行った結果、溶出が環境基準(0.05mg/L以下)以下だったのに、施工後の土壌分析調査では、環境基準値を超える六価クロム(最大値0.14mg/L、最小値0.03mg/L)が検出されているという実態です。
「地盤改良工事における六価クロム溶出問題について」
http://kankyo-iihatobu.la.coocan.jp/2contents8%20kanban/6ka-crom.pdf
この工事による汚染土壌の除去費用は1億2000万円かかったそうですが、詳細調査費・現場保全費・除去費用を合わせると1億6,000万円と書かれています。
なぜそこまで対策をするかというと、六価クロムは毒性が強く、アスベストと並んで2大発ガン性物質といわれ、人体に有害なものだからです。
セメント系固化材が問題なのは、セメントにはもともと六価クロムが含まれているからです。
特に発生土を利用した土系舗装や地盤改良する土とセメント系固化材を混合した場合には、土の性質によって、水和物の生成が阻害され、その結果、水和物によって固定されなかった六価クロムが溶出することがあるからです。
水和物生成が阻害される度合いは、土の粘土鉱物や有機成分の質と量に因り、特に火山灰質粘性土を改良した場合に溶出しやすいようです。
また、土系舗装やセメント改良土へ水の流入がなければ周辺環境への六価クロムの溶出はないと書かれていますが、降雨などの流入が起きやすいところや河川へ水が溶出しやすい場所は、特に六価クロム汚染が発生しやすいので、セメント系固化材の使用を避けるか、十分な注意をして使用する必要があります。
まだまだ六価クロム溶出の原因が完全に解明されたわけではないので、土系舗装や地盤改良工事をする際は特に注意しましょう。